Live Englishオンライン英会話の皆様、ブログでは少しお久しぶりですね。講師のHarumiです!
この間生徒さんに「人を形容する時、黒人だったら”she’s black”と言って良いのか?」と聞かれました。日本でOKでも北米で失礼に当たらないかと心配だったみたいです。とても興味深い質問ですね。実は北米に住んでいる人でも何が好ましいのか、許容範囲なのか、適切な表現がわからない人がいます。それだけ、時代の変化とともに人の形容の方法やルールも大きく変化しているということなんです。
今日は、人を形容する時に失礼にならない無難な言い方をお教えします。
例えば大勢が参加したミーティングの後、同僚に「which one was Greg?」と聞かれた時、どう答えれば良いでしょう?
1. 客観的な事実で形容しましょう
覚えておいて欲しいことは、人を形容する時、基本はネガティブでもポジティブでも自分の意見や偏見を全て取り除いた「事実」を伝えればOKです。
例えばGregは白髪が目立っていたとしましょう。その場合は、
❌He was old
⭕️He had some grey hair around the temples
⭕️He had salt and pepper hair (白髪交じり)
ひとつ目の「OLD」は個人的な印象で、客観的な定義がないので避けましょう。
その他にも、客観的な事実の伝え方の例をあげてみましょう。
例えば、彼女は訛りがあって英語が聞き取れなかった
❌She was difficult to understand
⭕️She had a bit of an accent
やや耳が遠かった
❌ They were hard of hearing
⭕️ They appeared to be using a hearing aid
⭕️ They asked us to repeat ourselves many times
足が悪かった
❌ She was disabled
⭕️ She was using a cane/wheelchair
背が低い
❌ He was short
⭕️ He was about 5’3″ (five-three約160cm)
特に女性の容姿についてのコメントは、セクハラになる事もあるので極力避けましょう。友達の間では問題ないかもしれませんが、褒めているつもりでもオフィスではとても「inappropriate」!不適切ですし、HR問題にも発展するケースも。
❌ She was pretty, beautiful
⭕️ She had brown (long, short, curly) hair
⭕️ She had glasses
⭕️ She was wearing a blue blouse.
⭕️ She wore a big sweater
2. 国際ミーティングや海外ビジネスでは「国籍」にも注意しましょう!
絶対に
見た目や訛りで決めつけないようにしましょう。例えば見た目やアクセントでインド人と決めつけるのはNG。パキスタン人、バングラデシュ人、スリランカ人、ネパール人とも区別が付きにくい事もありますよね。
❌ He was Indian
と決めつけず、言い方を「自分の印象だ」に変えればOKです。
⭕️ I think he spoke with an Indian accent.
⭕️ He seemed Indian to me.
⭕️ I think she might have been French.
3. ちょっと難しい「人種・肌の色」について
最後は人種と肌の色についてですが、この辺が難しいところですね。人種の呼び方には色々あって、その呼び方も変わるので躊躇しますが、明らかに黒人なのにHe’s blackとはっきり言わないのも逆に失礼にあたります。例えば身長、髪型、服装等を伝えているのに黒人である事だけを言わないとなると「黒人である事は悪い事」だと考えているのだと印象づけてしまうかもしれません。
私もカナダではvisible minority (可視的少数派)です。私の場合だとJapaneseやAsianと呼ばれることは当然に思いますが、ChineseやKoreanと言われると非常に失礼になります。
She’s white
He’s black
They’re Asian
She’s brown(*)
これらは基本的には失礼にはあたりません。でも人種は必ずしも見た目で判断出来ないので、自信がない場合はやはり「I think」を加えておくのが無難です。
ところで、最後のbrownですが、これは文字通り肌色が茶色っぽい人種のことです。カナダでは主にインド系の人を表現するときに使いますが、より幅広くヒスパニック、中東系、インド系を含む事もあります。They’re darker-skinned とも表現されます。
また「Asian」にはSouth Asia, つまりインド系の人も含む場合があります(特にイギリスではこの傾向が強いです) 「え〜、こんなに違うのに」とすごく違和感を感じますね。
今日のおさらいはこの4つです
1. 人を形容するときは、必ず客観的事実で述べること!
2. 国籍や人種は見た目では判断しづらい。自分の「印象」として伝える事!
3. She’s blackは失礼ではないが、曖昧な時はI thinkをつけるのが無難
4. 客観的にみて明らかな事を曖昧にいうとかえって失礼になる
それではまた次のブログでお会いしましょう!
コメント
アジア人への嫌悪がアメリカで増大していた去年くらいに、なるほどなと思った記事がありました。今までアジア人が黒人と違って団結して声を上げない理由の一つに、このAsianという言葉に幅がありすぎるからではないか、と。おっしゃるように、日本人(北アジア人)にとって、例えばインド人と一緒なことに違和感を感じてなかなかwe と思えないのではないかと。中学の社会でインド人はアジア人に含まれると習って、そうかなあと違和感を感じたことを覚えています。私にとって彼らのlooksはより白人に近いと思うから。そういえばこないだ、インド人をどのカテゴリーに入れるべきかの見直しがあった記事もあったような。
以前レッスンで少し教えていただいたことですね。改めてまとめて頂いてありがとうございます。大変参考になります。余談ですが、エチオピアの人は自分達のはbrownでblackと言ったら怒る人もいると聞いたことがあります。この辺も考慮に入れ始めるとますます、とっさに英語で人を見た目で形容することができず苦労しています。
コメントありがとうございます。Asianとは一昔前までは北アジア人(中国系、韓国、日本)を言っていたような気がします。アジア全般をPan-Asiaと言いますが本当に幅が広いものです。
ちなみに昔は我々、北アジア人はYellowと呼ばれていたが、これも全く聞かなくなりました。WhiteやBlackを使うが、Yellowは失礼?
また、カナダの黒人はカリブ海等やアフリカからの移民がが多く、アメリカの奴隷制で400年の抑圧の歴史のある黒人の方々ともやはり”We”の意識が薄いらしいです。
匿名さんもコメントありがとうございます。エチオピア人はこちらでは恐らくlight-skinned blackと形容されるでしょう。そうですか、blackは失礼に当たるのですか。それも黒人に対して失礼ではないですかね。
一つ加えておきます。体型や体重には触れない方が無難かと思います。「太っている」や「痩せている」、いずれも避けましょう。ただし、男性に対してはいわゆる中肉中背の”medium-build”はネガティブでもポジティブにも解釈されないためでしょうが、使われています。
返信をいただきましてありがとうございます。この返信いただいて一つ思い出したのですがよろしいでしょうか。以前、自分の髪形を変えたときに上司にいいヘアカットだねみたいなこと言われまして、特にそれについては問題ないのですが、それに続いて上司が自分はもう髪がないからヘアスタイルが一つしかないみたいなことを冗談っぽく言われました。笑ってごまかしましたが、少しその冗談にのっかった方がいいのか、それともそんなことないよとフォローしたほうがいいのかしばらく思案しました(実際完全に髪がないというわけではなく、少し髪が少ない程度)。この所謂、髪が薄いに関して北米と日本で認識の違いはあるんでしょうか。
面白いご質問ありがとうございます。本人が冗談っぽく言うくらいだからフォローも十分許されるかと思いますが、その人との仲にも寄るので無難な道を選ぶなら「ハハハ」が正解ですね。
仲が良ければ色んな事を自由に言えるようになりますが、職場ではその国、会社、同僚の文化やニュアンスが掴めるまでは it’s a minefield! (minefieldは地雷のある区域、つまり見えない危険があること)。
と少し大げさにいってしまいましたが、考えすぎて何も言えなくなる状態も良くないので、小さいリスクをとり、空気を読みながら、頑張って英語の職場に慣れていって下さい。気が付かずに何かまずいことを言ってしまったらその場で:
Oh, I’m sorry. Did I say something offensive?
とオープンな態度でいると周囲の人も助けてくれます。
あるいは後から同僚に
I noticed that everyone went quiet when I made that comment about ○○。Was that inappropriate?
と聞いてみるのもよいです