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先生とディスカッション編【第1弾】アメリカ/カナダ/日本のLGBTへの考え方

Live Englishオンライン英会話の皆さま、こんにちは!スタッフのRikoです。
今回初の試みの、Live Englishの先生とディスカッション編【第1弾】の記事です。

今回は、カナダ人のNadene先生とアメリカ人のJodi先生、そして日本からは私Rikoが、各国のLGBTに対する考え方の違いについてディスカッションをしました。とにかく日本と全く異なった「今」を知ることができ、とても興味深いディスカッションの場になったので、ぜひ皆様にも共有できればとブログにすることにいたしました。
ぜひカナダとアメリカ、そして日本のそれぞれの文化の違いをご覧ください。

 

*先生の紹介*
まずはじめに今回ディスカッションに参加してくれた先生2人のプロフィールを簡単にご紹介します!

カナダ人のNadene先生(画面左上)
Live Englishの生徒の皆さまの中にもNadene先生とレッスンをした経験のある方、多いのではないでしょうか?
レッスンでは発音や表現の仕方の適切なフィードバックに定評があり、根拠を持ってアドバイスをしてくれるので学習のモチベーションも上げてくれます。今までにニカラグアやアメリカに住み、自分でビジネスを行っていたこともある、とってもエネルギッシュな先生です。

アメリカ人のJodi先生(画面右上)
日系アメリカ人4世で南カリフォルニア在住、笑顔がとても柔らかくフレンドリーな先生です。現在もアメリカの中学校で教鞭を取っておる、日本に住んだことがないものの自身のルーツである日本を知りたいと、たびたび旅行で訪れています。

ディスカッション開催の背景
今回は2人と一緒にLGBTをテーマにディスカッションを行いました。先日東京ではLGBTの大きなパレードも行われていたようですね。
そもそも何故私が「他の国にいる先生たちとLGBTへの考え方についてディスカッションをしてみたいと思ったか?」を簡単にお話ししたいと思います。
実は私のオーストラリアの友人が、シドニーで開催された「World Pride」で「Rainbow washing」がすごく話題になっているという話を聞いてからでした。レインボーウォッシングとは、企業がLGBTコミュニティーへのサポートを表明するためにロゴや製品、ウェブサイトなどにレインボーカラーを使用することです。みなさんもSNSなどで目にしたことがあるのではないでしょうか。

日本ではあまりこういった話題について積極的に取り組んだり話したりということが少ないのですが、企業や組織がLGBTやダイバーシティを理解し、オフィシャルに表明してサポートをしている他の国の取り組みやモダンな考え方がすごく興味深いと思ったからです。

そこで、LGBTをはじめ人権を守るということの先進国であるカナダからNadene先生、そしてアメリカの子供達に教育を行っているJodi先生とお話しをして、日本との違いや共通点、世界で今起きていることを自由にフリーディスカッションできる場を作ろう!と先生たちに声をかけたのでした。

先生が特別このテーマに精通している、またはプロフェッショナルであるというわけではなく、あくまでもカナダやアメリカで家族をもち日々を送る先生達が、日常生活の中でどう感じているか?という前提でお話をしました。とはいえ、日本在住の私からは想像しがたいようなマインドセットや実際に起こったエピソードを聞くことができました!
私は数年前までアメリカに住んでいましたが、実は今回のディスカッションで初めて知るような内容も沢山あり驚きました。たくさんお話しいただいた中で、ハイライトしたいのはこの5つです。ぜひ読み進めてみてくださいね!

  1. カナダとアメリカのLGBT
  2. 制服の違い、選択肢の数
  3. 「生きやすくなるために名前変えてくる!」…そんなことできるの⁉︎
  4. 権利を主張する西洋文化の違い
  5. 職場ではどう?面接時に絶対質問NGな項目って?

1. カナダとアメリカのLGBT文化

Riko : 早速ですがまず、アメリカとカナダのLGBTの文化は、日本と比べると先進国だと捉えられることが多いようです。実際のところ先生やその周りの方々はどのように感じていますか?LGBTの話題は、日本よりと比較してどれくらいオープンな環境なのでしょう??

Nadene: 私も生徒さん達とのレッスンでお話を聞いたりするけれど、日本の社会や文化ではオープンにするのってとても難しそうよね。カナダには色々なジェンダーアイデンティティーの人がいて多様だと思う。トランスジェンダーとか性を定義しない人も私の周りにもいるし、少しずつ法整備も進んできたよね。Jodiのところはどう?

Jodi: 私が通っている教会などでは、ジェンダーのことにもとてもオープンな感じ!私はミドルスクールの先生をしているけど、この話題は比較的珍しい話ではないと思うな。私は以前、理科の先生として6年生から10年生までの生徒を対象に、生物の授業で同性婚・性教育・性の健康について教えていたことがあるよ。

Nadene:そうなんだ!カナダでは2005年に法整備されたけど、それでもやっとか!という感じ。例えばお店に行くと、名札に”John (he/him)”みたいな感じでpronounsが書いてあることが多いの。どこに行ってもどんなジェンダーの人でもウェルカムな感じがあるよ。性だけでなく、全ての多様性を行政全体でトレーニングしている感じがある。役所みたいな公共のサービスとかね。国がみんなを巻き込むことに対して努力しているように見えるの。

※pronounsとは日本語で「代名詞」のこと。例えばノンバイナリーの方々など、たとえ1人を指すにしても(they/them)を使用する場合があります!

02.  制服の違い、選択肢の数

Riko : LGBTというトピックへのそれぞれの国の温度感がよく伝わってきました。どちらの国も日本と比べるとそこまで珍しい話題として取り上げられていないような感じがします。またLGBTでの大きな問題の一つとして、人々が生活する上での選択肢が減ってしまうことをよく耳にしますが、カナダやアメリカの場合だとどのように配慮がされているのでしょうか?

Nadene: 例えば、仕事場でのユニフォーム(制服)の選択肢が広がったことはあるよね。

Riko: ちなみにカナダやアメリカの学校の制服も同じですか?

Jodi: アメリカではプライベートスクールの一部の学校しか制服はないの。チャータースクールなどでは全員白シャツにブルーのボトムスだから、そこまで性別の差はないと思う。パブリックスクール(公立)はみんな私服で学校に来ているよ。

Nadene: カナダも同じ。ほとんどの学校が自分の着たい服を着ていいことになってる。思い返すと私が16歳だった頃、学校内のセレモニーなどのかしこまった場で着る服は、既に女の子にはスカートとパンツの選択肢があったな。男の子はスカートを履くことはできなかったけれど。

Jodi: そうなんだ、今じゃ絶対に女の子がスカートで男の子がパンツということはもうないよね。

Nadene: ないね〜。スカートを履く男の子も結構増えてきてるし。とっても素敵なことだと思う!

03.  「生きやすくなるために名前変えてくる!」…そんなことできるの⁉︎

カナダとアメリカの教育の現場で、LGBTがどのように扱われているかが少し垣間見えてきました!話がより深くなって、今度は「名前」についての話題になりました。こちらのタイトルにもあるように、アイデンティティーの為に好きな名前に改名し、自分らしく生きていくことが権利として許されているカナダやアメリカ…さすがだなと感心しました。

Riko: でも、改名って具体的にどのようなプロセスで進んでいくのですが?日本では多くの時間と労力がかかるようなステップな気がします!

Nadene: そんなに難しいことでもなくて、たとえば学校では「こう呼んでほしい」っていう名前が自分で決められるのよ!例えば本名はSaraでもGreyって呼んでって学校に伝えたらクラスではそう呼ばれるようになるの。

Jodi: あるある!Greyって比較的中性的な名前な気がするから、あえてそういった名前を選ぶ人もいるよね。

Riko: え、そしたら私も例えば自分の名前が気に入らなくてJenniferとかAlbertにしたら、それで通ってしまうってこと?

Jodi&Nadene: そうよ!パスポートと250ドル、書類さえ役所へ持っていけば可能なの!

Riko: すごい!そんな簡単にできることなんですね!でもあだ名(ニックネーム)とはまた違う立ち位置なのかな?

Jodi: 違うね。例えば「この名前がいい!」って学校側に伝えていたのに違う名前で呼ばれたら、それは大きな問題になるの。仮にクラスメイトがその人を異なる名前で呼んだら攻撃的とみなされるの。当事者を尊重していないことになってしまうから、名前を変えることについても誰もとやかく言えないわ。アメリカだと、こういうふうに自分を定義付ける権利がそれぞれにあって、「私はこうなの!」と表現することが普通な感じ。少し中性的な名前に変更することを通して自分を表現するのは、例えばブラウンの髪にブロンドのハイライトを入れて、ネイルも可愛く女の子らしさをわざと目立たせる子と同じ。自身のアイデンティティやスタイルを確立しているの。あとはShe/Herなどのpronounの表記もあるよね、南カリフォルニアではあまり見ないけれど。

Nadene: 性自認をオープンにするということが、SNSで皆に公開する形で少しずつトレンド化しているということはあるかもしれないよね。そういえば、実は私の周りにいる人も自身の名前を変えたの!!私はそれについて否定的な気持ちには全然ならなかったし、本人が自尊心を持って生きやすければいいと思っているわ。名前を変えるのは必ずしもLGBTが関係しているというわけではなくて、誰しもが変えることのできる権利がある。こういうところが、社会全体に「違いを尊重し合おう!」という雰囲気があるよね。例えば小学校や中学校での教育はLGBTに基本的にオープンだし、大学にはLGBTへの無料のカウンセリングがあったり、関連イベントがあったりする。それぞれの権利が認められないことへ立ち向かって闘う人が日本と比べるととても多いように感じるわ。日本は伝統を守る傾向にあってハーモニーを大事にする文化だけれど、欧米はそれとは大きく異なっていて、権利を認めてもらうために法制化を進めよう!と動く人もたくさんいる。それぞれの信条が大事にされる、それがカナダ、アメリカ対日本の違うところだと思うな。

04. 権利を主張する文化の違い

名前の変更一つとっても、日本とカナダ・アメリカでは文化的背景やひとりひとりの権利に対する認識の違いから、こんなにもプロセスが異なるとは驚きでした!名前を変えることのできる権利というところから、さらにカナダとアメリカの「権利に対する意識の違い」について話が広がりました。日本人である私は、自分の権利が機会によって奪われそうになった時に仕組みがこうだから仕方ないな…と諦めて受け入れてしまうような場面が今もあります。一方で、アメリカで生活している間は、むしろ権利を主張しないとどんどん自分の立場が脅かされるような経験がありました。住む場所でこんなにもマインドセットが変わるものかと思い知らされますね。

Riko:  じゃあ、実際のカナダ・アメリカの社会問題として、「権利が脅かされる」状態とはどういうことなのですか?

Jodi: そうね、人々の権利というところで言うと、abortion rights(中絶の権利)もLGBTに巻き起こる問題のうちの一つだね。それぞれの州で法律が変わってしまうから、カリフォルニア州で許されている内容は隣の州では許されていないということは本当によくある話。これでは州ごとに機会の差が生まれてしまうよね。だから、こういう問題は一進一退な感じが現状なの。様々な人の行動がより良い環境を作っていると思いきや、差別を容認するような法律が新しく作られてしまうことで特定の人々が生きづらさを感じてしまう。むやみやたらに法を作って、人々がより生きづらさを感じる環境を作り出していることを考えるととても気分が悪いわ。大体は宗教や元々アメリカに根付いている文化が原因となっているんだけれどね。

Nadene: 確かにアメリカの場合だとその問題は大きいと思うわね。法律という話で言うと、intersex(どちらの染色体も持っている人々)もどちらのお手洗いを使用するか難しいといったようなことよく聞くもの。そういう人々の権利やプライバシーを守るための法制定は本当に重要だと思う。

05. 職場ではどう?面接時に絶対質問NGな項目って?

権利を守ることへの意識はカナダ・アメリカと比較するとまだまだ日本では改善の余地がありそうですよね。ここまで教育や身近なところの中でのLGBTについてお話ししてきましたが、実際に職場などではどのように扱われているトピックなのでしょうか?話を聞いていると、こちらも日本とは大きく異なる部分が多いようです。もしかすると外資系企業や海外でお勤めの方は聞いたことがある、または実際に体験したことがある内容かもしれませんね!

Riko: LGBTと一言で言っても、まだまだ先進国と言われているところでさえも問題が残されているんですね。学校や教育現場での状況はよくわかりました、ありがとうございます。ちなみに職場でのLGBTに対する環境や配慮、意識はどうです??

Nadene: まず職場で性別やプライベートなことを聞くのはNG!とされているの。例えば面接とか。宗教や性別、住所や妊娠しているかどうかも言う必要がないというか、聞いてはいけないことになっている。中にはSSD(マイナンバーのようなもの)と生年月日の下一桁しか言わなくていい企業もある。いかに候補者の経験やスキルだけを見ているかがわかるよね。

Jodi: アメリカも同じ。もちろん住所や電話番号など、業務の連絡に関わるようなところは面接が終わって入社してから聞くことが多いかな。あとはアパートメントなどのお家を見つける時も、法で機会均等が決まっているからそういった個人のバックグラウンドが理由で断られるようなことはないよね。

Nadene: 確かにお家を見つける時も同じね。今はほとんどの職場でチェックされるところ、されないところが同じなはず。例えば日用品を扱うようなスーパーマーケットの店員さんでお給料が手渡し、みたいな職場はもしかしたら話が違うかもしれないけれど。基本的にはみんな、応募するときに企業からのpre-screening(事前のバックグラウンドチェック)があって、犯罪歴がないかなどを確認するためのね。

Riko: 日本と全く違います!履歴書には写真や生年月日を載せるのは当たり前ですし、男女を選ぶ2つの選択肢から丸を囲むところもあります。役所の書類にも、性別はいまだに2つだけ…!アパートを借りるのも、日本ではオーナーが年配の方だったり、ちょっと古い考えを持った方だと、収入が十分あっても国籍が日本人でないと「貸さない!」ということもあるんです(私の友人で実際に10年前くらいにありました)…

 

いや〜、国ごとに大きく違いが見えるのはとても興味深いですね!たくさんの違いやカナダとアメリカのリアルな声を聞くことができて、本当に貴重な時間でした。長い間お時間をいただきありがとうございました!

Nadene&Jodi: とても興味深いディスカッションでした。ありがとう!

最後まで読み進めていただき、ありがとうございます!
2人の先生の体験談を聞くことができたのは貴重な経験でした。日本と比較すると異なる点がほとんどで、それぞれの国で文化的背景や権利を主張していく価値観が大きく関係していることがわかります。とても興味深いですね!私も今回のディスカッションを経て、日本人として「アクションを起こす」ということの重要性を改めて感じました。

皆さんにもぜひ、英語をツールとして世界中の先生と繋がり、その国の文化や大切にしている価値観を知る機会にたくさん触れていただきたいです。これが私たちの人間性をより豊かにしていくことだと個人的には思いますし、英語学習の醍醐味なのではないでしょうか?

Live EnglishにはNadene先生やJodi先生のように、世界中の国々から集められた経験豊富な先生が皆さんにレッスンをご提供しています。先生のプロフィールから気になるバックグラウンドを持っている先生を選んでご受講してみてくださいね。英語力向上だけでなく、新しい発見や視野を広げられるきっかけがあるかもしれません!

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