英検 S-CBT方式は従来のペーパー方式と異なり、1日で4技能すべてのテストをコンピューターで受けられるメリットがあります。特にパソコンに慣れている人にお勧めです!また意外と得点アップの為の勉強がしやすいので、英語学習のモチベーションにしたい方、自身の英語力を数値化したい方にもおすすめです。得点アップで狙うべきパートはズバリ、ライティングとリスニング!今日はその理由と、効果的な英検準1級勉強法をご紹介いたします!
Live Englishオンライン英会話の皆さま、こんにちは!スタッフのRikoです。皆さんは英語学習をされる際、どのようにしてモチベーションを上げていますか?実際に使う機会や話す機会を作る方もいれば、目に見える点数・数値という客観視できる指標をモチベーションにして英語学習を継続される方も多いと思います。学生時代から英語学習を熱心に続けていらっしゃる皆さんの中で、1番慣れ親しんでいる英語の試験はやはり「英検」ではないでしょうか?私自身も最後に英検を受験したのはペーパーベースで高校1年生が最後でしたが、今回初めてS-CBTで英検の受験にチャレンジしてきました。(S-CBTと従来のペーパーの違いは後述します)
今回は英検が意外と社会人にもお勧めの理由と、得点アップを狙えるパート、そして社会人の皆さんにもおすすめの英検学習法を含めて、体験談をご紹介します。受けてみて実際に分かったことは「TOEIC900点以上を取るよりも、意外と楽に取得できるかも?」ということでした。ぜひご覧いただき、今後の英語学習の参考にしてみてください!
英検の他にも、どのような英語試験を受けようかな?とお悩みの方は、TOEIC Speaking+Writingについての記事もあわせて参考にしてみてくださいね。
1.S-CBTで受ける英検準1級はどんな試験?ペーパーと何が違う?
ペーパーとの違い:
まず紙とS-CBTというパソコンベースでは何が違うのか?というところですが、S-CBTは従来の一次試験とスピーキングの二次試験が別日になる形式と異なり、4技能すべてのテストを1日でコンピューターで受けることができる方式です。S-CBTの場合、スピーキング・リスニング・リーディング・ライティングの順番で問題を解きます。(リーディングとライティングの順番は実質自分で決められるようになっていますが、この順に解く方がスムーズです)
ペーパーでは2次試験のスピーキングが別日で最後になりますが、S-CBTはスピーキングからスタートなので、スピーキングに一番苦手意識の感じやすい日本人は心の準備をしておく必要がありますね。問題の内容やレベルには特に違いがありません。
当日の流れと受けやすさ:
試験の受けやすさはペーパーと比べるとS-CBTの方が個人的には上だったように感じられました。
まずパソコンが使用できる希望地域のテストセンターの一部屋に入室します。私の場合は級ごとに部屋が分かれていて、試験官に受験番号を元にロッカーと席を案内されました。ここまではペーパーの時とさほど変わり無いのではないかと思います。
いざ本番が始まると、普段からパソコンに触れる私からするとペーパーより楽でした。画面上で複数のペンやハイライターを使用しながら進められますし、見直しに便利なチェックをつけられる機能があるので長文を読む際にはとても使いやすくよかったです。そのおかげもあってか20分以上早く受験を終えることができました。(終了次第退出できるようになっています)
苦戦する可能性がある点は?:
もしS-CBTに難しさを感じることとすれば、パソコンの取り扱いに十分慣れていない方には向いていません。なぜかというと、ライティングの回答は全てキーボードであることと、初受験の場合、受験のステップが複雑でわかりにくいと思います。また1次試験で、問題を解き始める前にどんな問題か最初に問題用紙をめくってさらっと確認をしたいタイプの方には向いていません。同じようにできなくはないのですが、とてもやりづらさを感じると思います。
また、他の受験者が終わるまで全員を待たなければいけない時間があり、周りの受験者の進度を考えながら受験するのがストレスに感じることもあると思います。特にそれを感じられるのがスピーキングのパートです。最後の1人が問題を回答し終わるまで、1次試験の内容であるリスニング、リーティング、ライティングに進むことができませんでした。また1次試験開始の前に、2次試験が終わった人全員の退室も待たなければなりません。
スピーキングを解く速度が周りの人より遅く、他の人が解き終わって静かになりつつある中で自分だけ話すことも緊張してしまうと思います。仮に他の受験者を待たなければならなくなった場合は「早く次に進みたいのに…!」という気持ちでいっぱいなので、長らく集中力を持たせることが難しいなと思いました。私は試験中、思ったより静かな環境で回答しなければならなかったため、他の受験者にに自分のスピーキング回答を聞かれているようでうまく話せませんでした。ただ、テストセンターが新しく机がしっかりしていたので、隣の人の音が気になったり机が揺れてしまったりということはありませんでした。建物や施設が古い試験場に当たってしまった場合、隣の人との距離感や音、机の揺れが気になって集中できないということもあるそうです。
2. まとめて時間が取れない社会人がどのように試験対策をする?(結果:1時間を週3~4回でも良かった!)
英検準1級の試験勉強のために費やしたのは、日頃の隙間時間と寝る前の1時間だけでした。これを2ヶ月ほど週3~4回のペースで続けました。
使った教材はこちらの2つのみです!
・単語アプリ(1ヶ月間購読、内容は英検準1級のでる順パス単)
・旺文社から出ている英検準1級の過去問6回分
どの英語の試験にも言えることですが、試験勉強はあちこち手をつけてしまうよりも、参考書やテキストブックを絞って繰り返し解く方が身につきやすいです!内容はペーパーベースでもS-CBTでも特にレベルに変わりはないので、あえてS-CBT用の参考書は買わなくてもいいと私は思います。
特に単語アプリは単語帳がとても苦手な私にとっても継続しやすく、いつも後回しにしてしまう熟語も無理なく学べたと思います。
「単語を覚えるのが大の苦手、いつもなんとなく推測しながら文章を読んでいる」という学習者の皆さん、準1級を目指している層には多いのではないかと思います。
私自身も語彙だけは英語を学習し始めた頃から本当に克服できず、何度も苦しさを感じてきました。しかし今回、長文から新しい単語や表現を学ぶという方法以外に初めてちゃんと語彙を増やすことができました!例え短期間だとしても、ちょっとお金をかけてでも、日々の習慣の一つにすることを強くお勧めします。おかげで問題1で8割以上の点数が取れましたし、リーディングパートでも時間短縮ができました。
英検はTOEICをはじめとした他の試験よりも語彙力が試される試験でもあると思います。逆をいえば、難しい単語でも意味を知っていればすぐに答えられる。TOEICよりもわかりにくい曖昧な選択肢が少ないというところがポイントです。語彙をやり込めば楽に回答できるという感覚がありました。
4. 4分野のうち〇〇に力を入れると英検準1級はより楽に合格できる!!
リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4分野の中で、この〇〇とはずばりライティングです!
英検準1級を受けて分かったことは、いかに効率的に合格基準7割に到達するかが大切ということです。下の図を見ていただくとわかるように、点数の配分を見てみると4パート全て同じ750点満点になっています。(2024年3月現在)
ということは点数で言うと、ライティングパートの1問はリーディング41問と同じくらい重要で、ここをおさえておくことでより楽に合格を狙えるということになります。
では、どのように英検のライティング力を上げるか?について3点ポイントをお伝えします!
・文法のミスがないように書く
・使い慣れていない難しい単語は使わない
・構造に気をつける
英検のライティングでは素晴らしいことを書く必要は全くありません。どちらかというと使われている単語や表現はシンプルだけれども、確実にミスがなく理路整然としていることが求められます。文法も「時制」に気をつけて一貫してかけるように、おさらいしておくと良いのではないかと思います。試験本番では凡ミスがないようにしっかり見直しをしましょう。
また、何よりも大切なのは作文の構造です。主張→2つの理由→結論(主張と同じ内容) を必ず守ってください!この流れで書けていないと、どんなに文法やスペルミスがなくても点数をもらえません。もったいないですよね。いきなりなんとなく書き始めるのではなく、全体の構造から考えて書き始めるとスムーズです。
ライティング力を上げるために文法をおさらいする際には、今話題のAIツールを使ってみるのもおすすめです!ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。
AI文法添削ツールはどこまで正確!?本当に役に立つの?を検証してみた
5. CEFR B2レベルが考える力を入れるべきもう一つの分野は、ズバリ!「リスニング」
ここまでご紹介をしてきたライティングが重要であるということは、私が今回受験して実感しただけでなく多くの英検解説書で言われていることです。ただ、今回はプラスして今回の英検でB2という結果が出た私が、もう1つ得点源になる分野に気づいたのでこちらでシェアをさせてください!!
リスニングはどの英語の試験よりも簡単に解けます。
とにかく速度が遅い!!
TOEICやTOEFLをはじめとした他の英語能力試験の受験経験がある、B2レベルの社会人や学生の皆さんでは英検準1級のリスニングは本当に楽に解けると思います。文章も短いですし、ほとんど聞き逃すことはないと思います。ちなみに私は特段リスニングが得意というわけでもありません。
もう少し細かくお話をするとTOEICやTOEFL等の受験経験者として英検リスニングを解く場合、やはりPart 1と3は簡単に解けると思います。勘違いさえしなければ満点を狙えるはずです。Part1 は簡単な会話、Part 3は電話や伝言等を聞いて次に何をしなければなりませんか?という趣旨の質問に答える問題です。Part 2はアカデミックな内容も含まれるため難易度が上がりますが、他はコツも特に必要なく、素直に回答することができれば確実に点数につながるところです。
6. まとめ: 英検は意外と受験しやすい!1度受けてみるのもおすすめ
いかがでしたでしょうか?他の英語試験より意外と受験のしやすさを感じられるのが英検S-CBTでした。普段ご自身で英語学習をされていて「自分の英語力を数値化したい」という方にはおすすめです。どの分野に強みがあり、どのようなトレーニングを今後していくと良いのか?という指標にもなると思います。
学生時代からを考慮すると、日本人にはTOEICと英検が一番馴染みのある、認知度の高いテストでなのではないかと思います。昨今社会人にはTOEICが活用されることが多くなりましたが、英検準一級、一級レベルは持っておくとやはり箔がつきます。特に日本国内では英語を使える指標としてとてもわかりやすいですし、私自身、今回受験をしてみて思っていたよりも分野によってはTOEICより英検の方が受けやすいことに気づきました。転職の際に語学力がある、自身で英語の勉強をし続けているということを示すには良いと思います。
ちなみにスピーキング力の基礎はネイティブの先生と会話をする習慣をつけておけば怖くないです。ぜひLive Englishのレッスンも活用してみてくださいね。
時間がない中で対策をするのは簡単ではなかったものの、英語を勉強する楽しさを久しぶりに感じられたのも受けてみてよかったなと思えるポイントでした。ぜひ皆さんも楽しく英語学習を続けるために受験を検討してみてはいかがでしょうか?