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I don’t like the ideaはNG!西洋ビジネス界でネガティブな反応を返す時の注意点とは?

概要

白黒物事をはっきり伝えるローコンテクストカルチャーの西洋ビジネス界でも、特に社内ではネガティブな表現は決して使われず、実はとても曖昧な婉曲な言い方が使われることが多いのです。今日は西洋ビジネス界で「NG」「使わない方が良い」とされるネガティブ表現の例と、ポジティブにコミュニケーションをとるための方法とTipsについてお話しします。


 

Live Englishオンライン英会話の皆さん、お久しぶりです。カナダから講師のHarumiです。
皆さんは「日本社会はハイコンテクスト文化で、ビジネス界では西洋と比べて物事をはっきり言わない文化だ」と聞いているかも知れません。また「西洋文化はYes・Noのはっきりしている文化だ」ともよく聞くかもしれません。

実際、西洋のビジネスパーソンが日本の会社と取り引きを成功させるために、日本のビジネス文化をリサーチすると、例えば日本人は表現が非常に曖昧で、YesなのかNoなのか分からない。日本人に「難しい」と言われたら、それは検討の余地や可能性を少しでも残すニュアンス「that’s difficult」ではなく、「that’s impossible (不可能)」と解釈した方が良いと言われたりします。
皆さんもビジネスやプライベートで、交渉や営業の場でソフトに「No」を伝えるために「検討します。決めたらこちらから連絡します」などの表現を使った事はないでしょうか?西洋ビジネスのビジネスパーソンに「検討します」と伝えると、ポジティブに検討されていると言葉通りに捉えられ、その後も積極的な営業活動をかけられるかもしれません。

しかし、北米の会社で過ごしたりビジネスをしていると気づきます。ビジネス界、特に社内ではネガティブな表現は決して使われず、とても曖昧な婉曲な言い方が使われることが実は多いのです。

例えば、上司の口から以下のような表現は(公な場では)決して出ません:
I don’t like that.
That’s a problem.
That’s not a good (idea, proposal, etc).

それはまるでネガティブな状況が北米では存在しないのかと思うほど徹底的に避けられるのです。
ではその代わりにどんな表現を使っているかというと、I don’t like …の代わりに、
I’m not too crazy about…
I’m not a fan of…
I’m not sure about that…
It’s not my favorite.

かなり表現がやわらかくなりましたが、実は「気に入らない」ことを伝えているのです。

また、Problemという単語はあまり使われません。代わりによりポジティブに「challenge」が使われることが多いです。
“There are no problems, only challenges.”
We have a challenge = We have a (big) problem.
(Challengeは日本語の「挑戦する」という意味の「チャレンジ」とは全く違うのでくれぐれもご注意下さい)

That’s not good と相手を真っ向から否定するように言わず、
That’s great but, I think it would be a better idea if…

”That’s good” や “That’s great” で始まっても、直後にBUTを付ける事によって本当はgoodでもgreatでもないというニュアンスになります。長く働いているベテランであれば、最初の誉め言葉が本音でない事もすぐに察知するでしょう。

なかなかネガティブな事を直接的に表現しづらい環境、例えばミーティング中では、何かが気に入らない場合には、姿勢を変えたり、表情で表したりとボディランゲージに現れる事もとても多いもの。すぐに「素晴らしい!」と言わないだけでも「良くない・好ましくない」と捉えることもできます。

また、ご存じかと思いますが、特にアメリカ人はfantasticが好きで、日本人にとって極普通の事に、wonderful, great, fantastic!と大袈裟に返すことがあります。そのため、 彼らのOkay(まあまあ)は実はbad, not good, terribleなどのネガティブな印象を意味する事もあるので、要注意です。

北米ビジネス文化でも、実際の言葉だけで判断せず、ボディランゲージや言葉の間合いを読んでニュアンスを捉えるという高度なコミュニケーション力が必要なのですね。日本人のハイコンテクスト文化、コミュニケーションスタイルに似た点も実はあるのです。

では西洋ビジネスパーソンと仕事をするに当たって、ネガティブな印象をなるべく与えないために使われている具体的なコミュニケーション例を紹介します。

1)The positive spin
上記のような環境で仕事をしていると、メールを書くにも決してネガティブな表現は使いません
例えば、Unfortunately…
これを使うとトーンが最初からネガティブになるので「使うな」と注意されます。
つまり、なんでもかんでもグッドニュースに聞こえるように表現する工夫やスキルを養っているのです。

これは spinと言って、悪いことも良いことかのように表現を変えることです。
1つの例として、ソフトウエア開発会社のカスタマーサービスに下記のような問い合わせがあったとします。

問い合わせをするお客様:パスワードの変更は社内の管理者が行えますか。(Can the admin change passwords?)

答えがNoの場合、日本の会社だったら「申し訳ございません。パスワード変更は、こちら(弊社)に問い合わせていただく必要がございます」このように返ってくるでしょう。(I’m so sorry. For password changes, we require the administrator to reach out to us.)

こうなると、お客さんの反応は「なんだ、簡単なことなのに社内で出来ないのか」というがっかり、ネガティブな反応になるかもしれません。
そのような反応を避けるために、こちらではこう返答するでしょう:

「パスワードの変更の権限を管理者が持つことは、お客様のセキュリティ上のリスクになり得る為、パスワード変更はこちらで対応をいたします。」(It is a security risk for the authority to change passwords to rest with the administrators, and so to protect you, we require any password changes to be referred to us.)

そうすると、お客さんの反応も「そうか、セキュリティにリスクが生じないように出来ないのか。それなら納得だ。しょうがない」と思われることができるでしょう

2)The hamburger
部下でも同僚にでも、ネガティブなフィードバックを伝えなければならないこともありますよね。
そんな時、こちらの文化では「ハンバーガーメソッド(the hamburger method)」を使うようマネージャー に言われます。
「サンドイッチ」とも言いますね。(サンドイッチを動詞として使って、”to sandwich bad news between good news”と表現できます)

ハンバーガーの上と下のふわふわのパンの部分は誉め言葉、つまり良いフィードバック。
真ん中の「肉」の部分 が一番伝えたいネガティブなところです。悪い知らせを良い知らせの間に「挟む」ことで、ショックを和らげたり、ネガティブなフィードバックを受け入れやすくするのです。日本語でも皆さん無意識にされているかもしれませんね。英語でも同じです。

ですが、これは実はとても難しいコミュニケーションでもあり、このハンバーガーのようにネガティブなフィードバックを受け慣れていない人はそのパンだけが耳に入ってしまい「褒められた!」と喜んでしまう危険性もあるのです。

逆にこのように言われる事に慣れている人は、そのパンの部分はどうせ嘘・ご機嫌とりだと聞き流すかもしれません。いずれにしてもあまり効果的ではないと最近は「古い」とされているのですが、まだまだこちらでもネガティブなフィードバック方法として十分使われているのが現実です。

いかがでしたでしょうか。イメージされていた西洋ビジネスのコミュニケーションと異なる点はありましたか?
皆さんも社内の英語コミュニケーションで同僚、上司のフィードバックを受けたり、ネガティブな反応を返さなければならない時、上記のことを少し意識してみてくださいね。

ではまた次回のブログで!

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