こんにちは、Live English講師のHarumiです。
今日は日本ではとてもよく聞くあの単語、北米で使うととても危険!というテーマです。
日本では「ブラック企業」という表現がありますが、ご存知の通りこれは従業員を虐待したり、労働法を無視するような、働きたくないひどい職場のことを指します。
生徒さんがこのような企業を英語で“black company”と表現するのを聞いたことがありますが、これは避けるようにと注意しています。
それには訳が2つあります。
1)まず「black company」は和製英語でネイティブ英語スピーカーには通じません。ではどのように表現できるかというと、北米ではToxic company, exploitative company という方が通じるでしょう。
2)2つ目に英語でblackは「黒人の」を意味する事があるので、なるべくblackをネガティブな表現に使わない様に気をつけましょう。
勿論、色の黒いものは黒いのでblack hair, black eyes, black pepper, black man/womanは普通に使って問題ありません。だがその「黒」が黒い色以外のもを意味する時の使い方の時が要注意なのです。
ちなみに英語ネイティブスピーカーにもBlackはいつ使ってよいのか分からない人がいます。
余り敏感になりすぎず、黒人を含め黒いものは黒いので黒い色を形容するには使って問題ありません。普通に黒い物をblackと言えない人を笑った動画もあるんです。(https://www.youtube.com/watch?v=aJtvA3jdzPc)
日本語の意味での”black company“は少なくとも私の住むトロントでは聞いたことがないので、これを聞いたらまず頭に浮かぶのは黒人経営の会社であろうということ。
黒人や他の少数民族所有の小企業を支援する政府のプログラムが時々ありますが、その支援に該当する会社はblack-owned company, minority-owned businessとほとんどの場合、ownedという単語が付きますが、省略して付けないこともあり得ます。
なので省略してminority company, black companyという事もあり得るということです。働きたくないひどい会社のブラック企業をblack companyと呼んでしまうと、それを黒人所有する会社を指していると誤解される可能性があるので大変危険ですね。
I worked for a black company, and it was terrible. I never want to work for a black company ever again. を勘違いされると意図せず差別的な発言になって大変まずいです。
その他色を指さないblackを使った表現にこんなものがあります:
1. In the black (黒字を出す事)
とてもポジティブな事ですね。
We’re finally in the black this quarter. (今四半期はやっと黒字です) というように使われます。
損益計算書で利益を示すには黒、損失を示すには赤い色のペンを使うことから由来すると言われています。
2. Black Friday
Black Fridayとはこの11月の第四週の木曜日(Thanksgiving)の翌日の金曜日にあたる日。アメリカ人はクリスマスプレゼントの買い物を開始する日でどの店も黒字を計上するところから由来すると言われています。
いずれも普通の会話に使われています。
3. Black comedy (皮肉なコメディ)
最近はBlack comedy/black humorよりDark comedy/dark humorを聞きます。少なくともNetflixあたりではblack comedyの代わりにdark comedyが使われています。
しかしネガティブな意味になり得る「black」も多いです。 以下に気を付けましょう。
❌ Black joke
Black comedyのようなものだと思って “Black joke” を使われたら非常にまずいです。これはblack comedy/black humorとはまったく別のもので黒人をあざける冗談であり、人種差別的な物です。間違ってblack humorをblack jokeと言わないようにしましょう。
❌ Black market (闇市場)
自分が知る限り現時点では普通に使われています。ただし、このblackは「違法」と言う意味であるため使うのをやめようという運動も見受けられます。代わりにIllegal market, underground economyを使うのが良いでしょう。
Blackmail, blacklist, black sheep: これらは現時点で普通に使われているように思います。しかし、意味的に:脅迫する行為、ブラックリスト、黒い羊(やっかいもの)といずれもネガティブな意味合いです。
そのうち使わなくなると思いますので早いうちに他の使い方に慣れるとよいでしょう。代わりにextort, banned list, pariah or outcastを使ってはいかがでしょうか。
日本語を含め言語は生きている物で時代と共に常に変化するものです。
10年前の表現でもとても時代遅れに感じられるものがあります。面白いですね。
ではまた次回のブログで!