Live Englishオンライン英会話の受講生の皆様こんにちは!
今日のグローバルビジネス界では、英語という言語だけでなく、深い異文化理解と柔軟な対応力がビジネスの成功に不可欠です。グローバルな舞台で日々お仕事をされている方には、些細な価値観の違いや各々の常識の捉え方の違いが、大きなビジネス上の問題を生んだり、関係性を悪化させてしまったりすることが以外とよくある事だと思われる方も多いのではないでしょうか。
先日のカウンセリングでは、オーストラリアのメーカーから機械を輸入し、日本の企業に卸すお仕事をされている生徒様が、オーストラリアでは「お客様ファースト」が本当に通用しなくて業務が本当に大変だとおっしゃっていました。お話しを聞くと、「日本では顧客がいついつまでに絶対に納品!と言ったら、何がなんでもそのデッドラインを死守しようと頑張る。そのための長い残業も仕方がないと割り切って働く人が、少なくとも自分の勤めてきた企業ではとても多かった。でもオーストラリアでは時間がきたらタスクが遅れていようが、納期に間に合わなかろうが、皆普通に帰っていく。むしろ間に合わないのが普通なのか?というくらい当然のように間に合わないことが多い。日本の顧客との板挟みで本当に困っていて、効果的にプレッシャーをかけるメールを一緒に先生に作ってもらいました」とおっしゃていました。
まさに、働き方や価値観の違いによる大きな問題に発展するケースだと思いました。逆にオーストラリア人からみたら、なぜ多大な残業を課せられなきゃいけないのか?間に合わないものは間に合わないのだ!日本人の残業文化はクレイジーだ!というかもしれませんよね。どちらが正しいという問題ではなく、文化が違いすぎる事が原因で起こる問題も非常に多いものです。
前置きが長くなりましたが、日本と西洋のビジネス文化には、非常に多くの異なる文化や考え方が存在します。今日はいくつか他にも例にとってみてみたいと思います!
1. 沈黙の捉え方は国によって全く違うので要注意!
沈黙 = pauses。日本では比較的沈黙を受け入れる国です。例えば会議中に少しの間沈黙をしたとしても、熟考している、思慮深い、考えを巡らせているというように捉えられるものも多いもの。「遠慮」「一歩下がって他の人を立てる」という日本独特の文化からきているのではないか?と思います。ですが西洋文化ではもし自分の質問に沈黙が返ってきたら、ぎこちなさや不快感を感じたり、自分の質問の仕方が悪かったのか?この人はその答えをもっていない (よく知らない)のではないか?とマイナスな印象を与えてしまうこともあります。ラテンの国では他の人が話していても割り込んで発言してくる積極さがあるため、沈黙とは無縁だったりするようです。
2. Feebdack文化の違い – 外国人の部下を持つ方は要注意
日本のビジネス文化と西洋ビジネス文化のフィードバック・評価の伝え方を比べると、日本のそれは多くの欧米諸国に比べて、ニュアンスが繊細でindirectであることが多いです。これは、調和・チームを大切にする、面子を重要視する日本の文化からきているところも大きいと思いますが、時にニュアンスが柔らかすぎて、directなフィードバック文化に慣れている外国人相手だと伝わらず、大きなミスコミュニケーションに繋がる危険もあります。
一つ例をとってみましょう。
たとえば、上司Tanakaさんは、部下Joshが受け持つプロジェクトに少し非効率な点と問題があることに気がつきました。そこで、
“John, your project is progressing. Perhaps we could explore some alternative approaches to enhance its effectiveness.”
とアドバイスをしました。Tanakaさんは「プロジェクト進行しているね。でも効率を高めるために他のアプローチを検討できるかもしれないね」とソフトに「他の方法を検討せよ」と伝えているつもりですが、Johnはポジティブに進行が認められていると受け取り、何も変更をしませんでした。
2週間後まったく何も変わっていない事に驚いたTanakaさんは、再度
“We should consider how to align the project more closely with our company’s objectives.”
と進め方を再検討するよう指示をだします。ですが、Johnは「検討の余地がある」程度のアドバイスと受け取り、大きな変更を加えませんでした。そして、そのまた2週間後、大きな変化がなくこのままではプロジェクトの成功に関わると焦ったTanakaさんは、今度は憤りを隠さずに、
“John, the project needs substantial revisions. It’s not meeting our requirements.”
とダイレクトな物言いで伝えました。これまでと大きく異なるTanakaさんの反応にJohnが驚きを隠せず混乱してしまいました。
異文化間のコミュニケーションでは、相手が自分の意図するニュアンスを掴んでいるとは限らないと常に意識し、細かなフォローアップが必要なのかもしれません。
3. ヒエラルキーと意思決定におけるプロセスの違い
日本のビジネス文化は、ヒエラルキー、組織の階級・階層意識が強く、意思決定の場であっても重視されることが多いです。これは責任の所在を明確にするためだったり、個々の役割や責任が明確になるなどのメリットもありますが、一般的に意思決定に時間がかかるというデメリットもあると言われています。西洋ビジネス文化は、迅速な意思決定や個人の自発性がより重視されることが少なくありません。1つ目の会議での沈黙も、階級や自分の立場を意識した遠慮や配慮からきているケースもあるかもしれませんね。
今日あげた3つはほんの一例ですが、異文化コミュニケーションとは、ただ単にその国の言語を話すとことではありません。様々な価値観やコミュニケーション方法があることを知り、自分の考え方の柔軟性を高め、コミュニケーションの方法を必要に応じてアジャストする、異文化対応力がとても大切なのです。
Live Englishには、世界各国に講師がおり、中には日本に一度も来たことのない先生もいます。
ぜひただの英語レッスンと思わず、日々のレッスンとコミュニケーションの中でそんな発見を沢山して、みなさんのマインドと視野を広げる貴重な機会にしていただけたらと思います。
それではまた次回!