Live Englishオンライン英会話の皆さま、こんにちは!スタッフのRikoです。
突然ですが、皆さんはTOEICと聞くとどのようなイメージを思い浮かべますか?殆どの方々はListeningやReading (L&R)のイメージが大半だと思います。実は、TOEICにはSpeakingとWriting (S&W)という英語の中のアウトプットスキルのみに重きを置いた試験もあるのをご存知でしたか?
実は私も2023年10月に初めてこの試験を受けてきました。L&Rとはまた大きく違った難しさがあり、本当の意味でビジネスで活躍できる英語力を身につけたいのであれば、インプッスキル重視のL&Rテストでは足りず、アウトプットスキルを判定するS&Wテストのスコアも加点対象にすべきだと個人的に思うようなテスト内容でした。
IELTSやTOEFLはリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4技能をしっかりチェックするものです。以前は日本の教育でも読み書きのスキルのみに重点が置かれていましたが、現在の英語教育は変わりつつあります。
企業でも、TOEICのスコアと実際に実務にあたることができる英語力の差が大きいケースが多いこともあり、近年はTOEIC L&Rのスコアだけで英語力を判断されることは非常に少なくなってきている印象を受けます (英語力を求める部署や企業の採用面接では、高い確率で英語面接が必須です)。
その為、今後更なるキャリアアップを望む方、高い英語コミュニケーション力をアピールの一つにしたい方、また英語学習を長く続けてこられ自身のスキルチェックをしたい方には、S&Wテストの受験検討をぜひお勧めしたいです。
今回は具体的にどのようなテストなのか、対策方法や注意すべきポイントについてご紹介をいたします!!
TOEIC Speaking & Writing (S&W)はListening&Reading (L&R)と比べて、問題数と試験時間、受験と対策方法、金額の面で大きく違いがあります。日本人が苦手とする、スピード感を持って論理的にアウトプットするような問題が出題されるので、日頃から様々な話題にアンテナを張り、自分の意見を持つ、説明するといった練習が非常に大事なポイント。今回はスピーキング・ライティング別の問題傾向とその対策方法、日本人が苦手とするポイントなどについて、詳しくご説明します!主にビジネスの場でバーバルコミュニケーションを取る方々であれば、2種類とも対策をすると本当に「実用的な」英語スキル習得につながります。ぜひ最後までご覧ください!
はじめに: TOEIC Speaking &Writingはどんな試験?
はじめに: TOEIC Speaking &Writingはどんな試験?
英語のビジネススピーキングスキルとライティングスキル両方を、試験会場のPCとヘッドセットを使用しながら問題に回答し測定される試験です。私の受験会場では1部屋の中に数十台デスクトップPCが用意されており、私が入室するタイミングで、中には大体20人程度すでに受験を始めていた人がいました。入室したらまず試験結果に印刷される顔写真の撮影と、身分証明書の提示と顔チェックがあります。確認が終わると席まで案内され、ヘッドセットの装着等準備があり、自分のタイミングでテストを開始します。テストが終わったら試験官へ終わった旨を伝え、入室から1時間半後には試験会場を出ました。
1. 問題数と試験時間
LRは2時間で200問 VS SWはスピーキングが20分で11問、ライティングは60分で8問
2. 筆記かPCベースか
LRは鉛筆で記入するマークシート、SWはPCとヘッドセットが会場に用意されています。スピーキング問題に関しては、英検2次試験やIELTSのように対面の選択肢はありません。
3. 金額
2023/11/16現在、L&Rは7,810円(税込)。S&Wは10,450円(税込)です。他の英語の試験と比べると大体平均くらいの受験料ですね。
・お仕事、ビジネスでを英語コミュんケーションを必要とする方
・お勤め先でメールを使う機会がある(もしくは見込まれる方)
・ライティングでも自分の意見を述べられるくらい、短時間でささっと書けるようになるトレーニングをしたい方
・長年英語学習を継続してきて、読み書きだけでなくアウトプットの実力試しをしたい方
・キャリアアップのために、英語コミュニケーションスキルをアピールの一つにしたい方
ではいよいよ、問題集で対策をしている間から受験後までで把握した問題の傾向と、おすすめの対策方法をこちらではご紹介をいたします。
スピーキング問題傾向
スピーキングは5つのパートに分けることができ、最後に行くにつれてだんだんと難易度が上がっていきます。
1. Read a text aloud(音読する) 2問
2. Describe a picture(情景描写) 2問
3. Respond to questions (シチュエーション) 3問
4. Respond to questions using information provided (資料を使って質問に答える) 3問
5. Express an opinion (意見を述べる) 1問
発音、アクセント、文法語彙、一貫性、妥当性、完成度
まずみなさんに知っておいていただきたいのが、スピーキング問題は「曖昧な答えでもOK、推測できることはどんどん言おう」というマインドで受けて問題なしです!驚くべきことに、そうとも捉えられるかな?否定はできないかな?ということを言っても良いようです。
例えば、情景描写の問題で空港に車がたくさん停まっているような写真だった場合、「ホリデーシーズンで多くの人々が空港に集まり、これから帰省や旅行をするように見える」と言っても満点近い点数がもらえるようです。英検のスピーキング問題のように、写真の中のものを忠実に答えなくても大丈夫です。個人的に、答えが1つに決まっているL&Rと、高得点でOKと判定される基準が全く異なることに驚きました。
ただし気をつけるべきところは発話中の文法、イントネーション。発話時にヘットセットに吹き込む音声が割れると、点数が引かれるという場合もあるそうなので、しっかり聞き取ってもらえるように発音し、回答前の音声の確認はしっかり行うようにしましょう。
スピーキングパートの1番最後には、意見を述べる問題があります。 その際に、私は質問の意図に沿う答えと具体例を瞬時に頭の中に浮かべることができず、また隣の人の話し声が驚くほど大きかったため、体感としてはかなり長めのポーズが入ってしまいました。この問題にミスがあると、他のパートで点数が取れても総合点は落ちるという話を聞いていましたが、これは恐らく本当なのではないかと思われます!
総合的に、スピーキングパートはいかに質問の意図を早急に取れるかがコツでした。流れてくる音を律儀に聞かないで、目視で問題内容が確認できる場合はささっと読んで準備に取り掛かった方が良いでしょう。
ライティング問題傾向
ライティングの問題数は全部で8問と、他のテストよりも圧倒的に問題数は少ないように見えます。ですが実は1番最後の問題は300字程度のエッセイです。これを30分以内で書く必要がある為、日頃から意見を持つこと、自分の意見を伝える練習に慣れておくこと、より多くの英語表現を知っておくことが何よりも大切です。
こちらもスピーキング同様、最後に向かうにつれて難易度が上がっていきます。
問題にうまく回答するためのポイントは、焦っていきなり思いのままに書き始めないことです!まず始めに、5分くらい時間をとってしっかり構成を作ります。その後にサポートするための理由や具体例を書きます。
ここでのポイントは、具体例を自分の経験・エピソードに置き換えてしまうことです。客観的な例は、書いている間にネタ切れになってしまったり、データの引用はもちろんできないため避けておくのがベターです。
例えば、個人情報漏洩がテーマの作文だった場合
◎: 「私は最近クレジットカードを無くしてしまいました」自身に基づくような例を書く
△: 「個人情報漏洩は最近の情勢からすると世界的な問題となっている」大きな視野で例を書く
一見、ビジネスの場において個人の思考ではなくいつでも事実に基づいて、クリティカルに書かなければいけないというイメージがありますよね。ただ、この試験では意外とその点は易しいようです。こういった傾向を知っておくとより効率的、かつ自信を持って回答することができます。
おすすめの対策方法3選!
・問題集は1つに絞る!
このTipsは、多くの英語学習者の方はもしかするとすでにご存知かもしれませんね。複数のテキストにあちこち手をつけるよりも、1冊を何度も繰り返し解く方が定着力が高まり、高得点につながりやすいです。TOEIC S&WのテキストブックはL&Rほど数が多くないので迷うこともあまりありませんでした。
いつも公式問題集しか手にしない私は、今回も公式から出ているワークブックを使って対策をしました。ほとんど知識がない状態でワークブックを始めましたが、最終的には問題傾向と対策方法まで学習しているうちに把握することができました。
・何度も問題を解き、スクリプトを繰り返し聴く→発音する
これは私がもっと時間を費やせばよかったと思うポイントです。もちろん音読問題の対策にもなるだけでなく、スピーキング全体の対策になる部分でもあります!
特に音と単語が一致しておらず、何を聞かれたのかわからず追いつけない・意図を把握できないという方のトレーニングにもなりますし、またはどのようなphrasal verbsやidiomsが使われているかを認識、学習するいい機会です。どんな時でも自信を持って自分の言葉として発話するには、自分が納得するよりももっと発音練習をしなければならないということです。特にスピーキング、情景描写の問題に関しては全体像から細かい情報へ話を持っていくことがTipsとして紹介されており、それに沿って何度も練習を重ねました。結果として試験当日求められている答えは言えたものの、ここ間違えた、こうすればよかったと思うポイントが多かったため、スピーキングにあまり自信がなかったり話し慣れていなかったりする場合には3ヶ月前から継続的に対策をしておく必要があります。
短期間で知識を詰め込んでも得点できるようになるのが難しい、というのがアウトプット系試験の特徴です。
・英語イディオム、句動詞の学習
問題集ほど一生懸命にやる必要はないのですが、もし余裕があればこれらだけを学ぶ時間を作ると効果的だと思いました。なぜならこういった複数の単語が重なった塊のフレーズはとても役立つのです。日常的に使えるような英語、例えば「AがBに何かを手渡していて、その手前の人が奥側に移動して駐車しようとしている」などの表現を考える間もなく思いつけるかどうかは高得点を狙えるポイントとなってきます。
また、日頃から意識してどのような表現が自然なのかを逐一先生と確認するのがいいかもしれません。「このテキストの中にある表現って、実際に本当に使うの?」というようなもの、よく目にしたことがあるかと思います。また検索してもいまいち実際の場面が思い浮かばなかったりするためです。
何と言ったらいいか分からず、回りくどい表現になってしまったり不自然な間が開いたりすることを防ぐために、できる限り増やしておきましょう。ただ単純に丸暗記するだけではなくて、文章を作って1文の中での使い方を覚えるなど、自分の言葉として出るところまで落とし込むことが必要です。私は問題集8割とイディオム2割のレベルで対策をしましたが、特に、動詞系は学習してとても役立った実感がありました。
【スピーキング】発話中の時間配分と発話内容を即座に判断すること
あれどうしよう、回答時間が余ってしまった…!!!!となってしまうことを防ぐために、スピーキングは対策をしている間から時間配分と発話内容に気をつけていきましょう!
試験対策中は意外と、時間配分の重要性をそこまで重視しないまま学習を進める方も多いのではないでしょうか?L&Rよりも難しくはありますが、本番により近い形で対策をすることで「想定外での失敗」を防ぐことができます。
また、回答する際に難しく考えすぎると何も言えなくなってポーズの時間が長く出てしまうかもしれません。スピーキングでの長い沈黙は1番避けたいところです。まずは色々付け加えようとしないで、最低限のポイントを外さないようシンプルに答えることをお勧めします。少しずつ慣れてきて余裕が出てきたら、さらっと触れただけで終わらせると時間が余るはずなので、おおよそのタイミングを掴むと良いでしょう。慣れてくると大体どのくらいまでの量を話したらちょうど良くビープ音が鳴るか、分かるようになってきます。
【ライティング】論理的な構成の組み立て
もう時間がないのに、結局何が言いたいのか伝わってない…!!
このようにせっかく一生懸命書いたのにもかかわらず、結果何を言いたいのか伝わっていないままsubmitボタンを押すことがないように、構成に関してはしっかり組み立ててから書き始めましょう。構成なしにいきなり書き始めるのは、道標のない登山と同じです。まずはゴール(結論)を定め、そのサポートをするための例をたくさん書けるようにしておきたいところです。
また、受験してわかったちょっとしたTipsですが、deleteボタンを押すことなくとにかく書けるだけ書いたあと、後で見直しをしながら余計な文や表現を消すということをすると300文字は余裕で到達できました!むしろいつも書くようなビジネスメール問題に余裕を持ちすぎてしまいました。
こちらは英語力そのものというよりはテスト内のテクニック的な部分の紹介になりますが、事前に知っておいて損はないような内容です。
2. 多くの話題にアンテナを張っておく!
これが対策の中で大切なことの1つだと強く思います。確かに、もちろんTOEIC S&W用の対策は必要ではあるのですが、結局のところ順番を追って説明することができる発話力というものがないと、対策もするにもしきれない部分があります。いつも受けている英語レッスンやスピーキング練習は回り回って対策に繋がるので、日々の練習やレッスンの積み重ねはぜひ継続することを強くお勧めします。
イントネーション・発音練習と、短めのパッセージ読む練習を常日頃からやっておくことをおすすめします。特に意見を発する練習は必須です。なぜかというと、スピーチ慣れておかないと何を言っているのかよくわからないというあやふやなスピーチになってしまいます。まずは自分の苦手分野をトライアルテスト等で知っておくと、対策がしやすいでしょう。
学習環境はあえてストレスのある状況で行うといいです。今回受験した後に思ったのは、あえてうるささを感じるところでの勉強が意外と良いかもしれないなという点です。L&Rとは異なり、受験者それぞれのペースでテストが始まるので、周りの音が大きいことに意識が持っていかれてしまったことも今回の受験の中で大きな反省点の一つです。
例えば私が実際に体験したことで言うと、隣の人の椅子をぶつける音や、前の人の信じられないくらい大きい声に圧倒されてしまいました。私はもともと音に敏感すぎてしまうので、かなり苦痛でしたし、こういった形のテストが5年以上ぶりだったこともあり、思った通りにはなかなかいかない部分も多かったです。事前にもし受験の機会があればTOEFL iBT、英検CBT等で慣れておくのもおすすめですよ!
余談ですが、TOEIC L&Rのように受験票はハガキで届きません!私はこの事実を知らず「1週間を切っても届かない、なぜだろう」と一瞬焦ってしまいました。受験日3日前にメールが来るはずですので、大切に取っておきましょうね。
今回はTOEIC Speaking&Writingについて実際のスタッフ体験記とおすすめ学習法についてご紹介をしました。Listening&Readingにしか挑戦したことがなかった方や、英語のアウトプットスキルを高めたい方はぜひ受験を検討してみてはいかがでしょうか?